劇団「演劇FACTORY」『土の詩~夢の果てに~』制作日記①
まもなく本番を迎える、劇団「演劇FACTORY」公演『土の詩~夢の記憶~』。
この物語は、豊岡市但東町高橋地区の「満蒙開拓団」の史実をモチーフに制作されました。
去る2月12日、劇団員が但東町高橋地区コミュニティセンターに伺い、「大兵庫開拓団遺族会」の方々のお話を聞きました。
・遺族会 石坪馨会長(当時16才)のお話
皇国標準農村としての指定を受け、割当による強制的な移民政策であった事や、昭和20年8月9日にソ連軍の侵攻が始まり敗戦に至ったのち、徴用帰りの中国人の暴行も起こり逃げ回る中、最期には入水のためホーラン川へ向かった、との体験談をお聞きしました。「今まではとても話せなかったが、数年前から手記を書いたり、話し始めた。当時は16歳。生き延びて、高橋村に伝えよとの命をうけました。」と語っていただきました。
・山下幸雄さん(当時12才)のお話
兄と背中合わせで水の中に飛び込んだが、しばらくして、気がついた。家族の中で一人だけ生き残り、一年の収容所生活を経て、帰国しました。と語られたのは当時12才の山下さん。
満洲から小学校の先生に出したハガキが残っており、今回特別出演として『土の詩~夢の果てに~』公演では冒頭、読んでいただくことになっています。
ほか、当時10才~14才だった3名の大橋さん、木村さん、岡村さんのお話を聞き、劇団員一同、本番に向けての思いを熱くしました。
作者である、夢野旅人氏からは、「夢」とはなんだったのか?この話を大切に伝えたい。果たせなかった夢を少しでもかなえられたら・・・。今日聞いたお話を心に、自分たちのベストを尽くしていい劇を上演したい。との決意をお聞きしました。
劇団員は雪の残る一宮神社にある樹齢400年~500年の大ケヤキを見上げ、また、集団自決の犠牲者を追悼する「殉難者の碑」の前に並び、黙祷をささげました。
まもなく但東市民センターでの大詰めの稽古がはじまります!ぜひ、ご期待ください。
劇団「演劇FACTORY」公演 『土の詩~夢の果てに~』
-あのケヤキ、風に揺れてるかな
もう内地は桜が咲いて満開でしょう-
豊岡市但東町旧高橋村「満蒙開拓団」の史実を背景に、現代社会を交差させて描く
劇団オリジナル作品。渾身の市民演劇再演!
日時:3月17日(土)18:30開演/
3月18日(日)14:00開演
場所:但東市民センター ホール
料金:一般 800円(当日200円増)/
高校生以下無料(要整理券)
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